通信I/Fとは?Ethernet・EtherNet/IP・FL-net・DeviceNetを用途別にざっくり解説

通信

〖対象〗初学者/実務者の基礎復習
〖前提〗先に「PLCとは?」を読むと理解が早いです
〖次に読む〗「自己保持回路」「インターロック


はじめに:通信I/Fって結局なに?

工場の装置は、PLC・NC・ロボット・リモートI/O・インバータなどが「データをやり取り」して動いています。
この“やり取りの仕組み”をまとめて 通信I/F(インターフェース) と呼びます。

ここで一番混乱しやすいのが Ethernet と EtherNet/IP の関係です。

  • Ethernet(イーサネット):LANケーブルでつなぐための“土台”
  • EtherNet/IP / FL-net / DeviceNet:その土台の上で「どんなルールでデータをやり取りするか」

同じLANケーブルでつながっていても、上で動くルールが違うと通信できません。
この記事では、現場でよく出る4つ(Ethernet / EtherNet/IP / FL-net / DeviceNet)を用途で整理します。


Ethernet(イーサネット):有線LANの土台

Ethernetは、LANケーブル(RJ45)とスイッチで機器をつなぐための基本的な仕組みです。
工場では「ネットワークの土台」として一番よく出てきます。

よくある用途

  • PLCの設定・プログラム転送(エンジニアリング)
  • 監視PC(SCADA)やデータ収集
  • 上位システム(生産管理、データベース等)との接続
  • 産業用Ethernet(EtherNet/IPなど)を使うための基盤

ポイント

Ethernetは“つなぐ土台”なので、Ethernetだけで「制御データのやり取り方法」まで決まりません。
制御に使うなら、次の EtherNet/IP のような産業用のルール(プロトコル)が必要になります。


EtherNet/IP:PLC・I/O・ドライブを「制御目的」でつなぐ

EtherNet/IPは、Ethernet上で CIP(Common Industrial Protocol) の枠組みを使って、制御向けにデータをやり取りするネットワークです。
現場では「PLCとI/Oやドライブを制御目的でつなぐ」場面でよく出てきます。

よくある用途

  • PLC ⇔ リモートI/O(分散I/O)
  • PLC ⇔ インバータ/サーボ(状態・指令・アラームなど)
  • PLC ⇔ PLC(装置間インターロック、段取り情報、状態信号)
  • PLC ⇔ ロボット/HMI(対応機器の場合)

ざっくり理解(ここだけ押さえればOK)

EtherNet/IPには、用途の違う2種類の通信があるイメージです。

  • 設定・読み書き(要求→応答)
    例:機器の設定を読む/書く、診断情報を読む、など
  • 制御向けの周期データ(I/Oデータ)
    例:I/Oのように、定期的に状態を送り合う

この「周期的にデータをやり取りできる」仕組みがあるので、制御ネットワークとして採用されやすいです。


FL-net(OPCN-2):コントローラ同士でデータを共有する

FL-net(OPCN-2)は、PLCやNCなどの コントローラ同士 でデータをやり取りする用途で使われるネットワークです。
「相手に1対1で送る」というより、装置内で 複数のコントローラが同じ情報を共有する 方向で使われることが多いです。

よくある用途

  • PLC ⇔ PLC の連携(装置内にPLCが複数ある構成)
  • PLC ⇔ NC の連携(状態、段取り、条件、実績など)
  • 複数コントローラで共通データを持ちたい(共有データのやり取り)

ポイント(浅くでOK)

  • Ethernetベースで、UDP/IPを使ってデータを送るタイプ
  • 通信のタイミングを整えるために「トークンパッシング方式」が説明されることが多い
  • 「このラインはFL-net」という既設仕様として出会うことも多い

DeviceNet:フィールド機器(I/O側)をまとめる(既設で多い)

DeviceNetは、センサやバルブなど フィールド側の機器 をまとめる用途で使われてきたネットワークです。
イメージとしては「コントローラ ⇔ I/O機器」をつなぐフィールドバスです。

よくある用途

  • センサ/バルブ/簡易I/Oをまとめて接続
  • 既設設備の保守・更新(昔からDeviceNetのラインで残っている、など)

ポイント

  • 仕組みとしてはCANを使うタイプとして説明されることが多い
  • 新規はEthernet系が増えている一方、既設保守ではまだ出会うことが多い

迷ったときの“超ざっくり”整理

  • 監視PC・上位連携・設定が中心:Ethernet(+上位の仕組み)
  • PLC/I/O/ドライブを制御目的でまとめたい:EtherNet/IP
  • PLCやNCなどコントローラ同士で連携・共有したい:FL-net
  • フィールド機器側の既設・保守でよく出る:DeviceNet

まとめ(4行で)

  • Ethernet:LANケーブルでつなぐ土台
  • EtherNet/IP:Ethernet上でCIPの枠組みを使う制御向けネットワーク
  • FL-net:コントローラ間のデータ共有・連携で使われやすい
  • DeviceNet:フィールド機器(I/O側)をまとめる既設ネットワークとして出会うことが多い

<執筆者の実務コメント>
工作機械メーカーで約20年。制御盤ハード/PLCラダー設計(主に三菱・FANUC)。
通信は「何をつなぐか(PLC↔I/Oか、PLC↔NCか)」で選び方がかなり変わります。迷ったら“用途”から逆算するのが一番早いです。

▶ 次に読む:自己保持回路インターロック

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