I/Oとは?入力と出力の違いを解説

PLC入門

【対象】初学者/実務者の基礎復習
【前提】先に「PLCとは?」を読むと全体像が掴めます
【次に読む】「A接点・B接点・コイル」「ラダーとは?」「自己保持回路

はじめに

PLCやラダー図を学び始めると、必ず出てくるのが「I/O」という言葉。
「I/Oカード」や「I/O点数」など、よく聞くけど実は曖昧なまま使っている人も多いのではないでしょうか?

この記事では、I/Oの基本的な意味と、入力・出力の違いを初心者でもイメージしやすいように解説します。

I/Oとは?

I/Oは「Input / Output(インプット/アウトプット)」の略で、日本語では「入力」と「出力」を意味します。

  • Input: スイッチやセンサなど、“PLCに情報を送る側”
  • Output: PLCの信号を受けて、“動いたり光ったりする側”

入力(Input)の例

入力信号は、外の動きをPLCに伝える信号です。

代表的な入力機器

種類説明
スイッチ押しボタンスイッチ、リミットスイッチON/OFFで信号をPLCに送る
センサ近接スイッチ、フォトセンサ、圧力センサ物体や状態を検出して信号をPLCに送る

入力がONになると、PLC内部の対応する入力端子(Xアドレス)がONとなり、ラダー図上で「信号が通る」状態になります。

出力(Output)の例

出力信号は、PLCが外部機器を動かすための信号です。

代表的な出力機器

種類説明
ランプ動作中ランプ、異常ランプ状態を目で見えるように表示
モータコンベア、ファン出力ONで動作開始
ブザー警報、報知出力ONでブザーを鳴らす

出力信号がONになると、PLC内部の出力端子(Yアドレス)がONし、接続されたランプやモータが動作します。

PLC内部での流れ

I/O信号は、PLC内部で次のように処理されています。

  1. 入力(X)で外部の状態を読み取る
  2. PLC内部のラダー回路で論理処理(自己保持・インターロック等)
  3. 結果を出力(Y)に反映して外部機器を動かす

この流れが「入力 → 演算 → 出力」というPLC制御の基本サイクルです。

入力と出力の見分け方のコツ

  • 人が操作する/機械の状態を検出する → 入力
  • PLCが機械を動かす/表示させる → 出力

たとえば「ボタンを押してモータが動く」場合、スタートボタン=入力、モータ=出力となります。

I/Oカードとは?

I/Oカード(入出力ユニット/I/Oモジュール)とは、PLCと外部機器をつなぐための部品です。
スイッチやセンサなどの信号をPLCに取り込む「入力カード」と、PLCの出力信号でランプやモータなどを動かす「出力カード」に分かれています。

PLC本体(CPUユニット)はラダー回路の演算を行う頭脳の部分であり、実際の入出力端子は持っていません。
I/Oカードをベースユニット(ラック)に取り付けることで、PLCが外部機器と信号をやり取りできるようになります。

たとえば、入力カードがスイッチのON信号を検出し、その情報をPLCに送ります。
PLCはラダー回路を実行し、出力カードに信号を送り、モータやランプを動かす――この流れがPLC制御の基本です。

つまり、PLCが「頭脳」I/Oカードが「手足」のような関係になっています。
I/Oカードを増設すれば、扱える信号点数(I/O点数)も増やせるため、より多くの機器を制御できます。

I/O点数とは?

「I/O点数」とは、PLCが扱える入力・出力の合計数のことです。
たとえば「入力16点・出力16点」であれば、最大で16個のスイッチ信号を受け取り、16個の機器を制御できるという意味になります。

まとめ

I/Oは「Input(入力)」と「Output(出力)」の略で、PLCの基本動作は入力→演算→出力の流れで成り立っています。

区分主な機器アドレス例
入力(Input)スイッチ、センサX000, X001…
出力(Output)モータ、ランプY000, Y001…

I/Oを理解することで、PLCの信号の流れやラダー図の読み方がぐっとわかりやすくなります。

<執筆者の実務コメント>
工作機械メーカーで約20年。制御盤ハード設計/PLCラダー設計(主に三菱・FANUC)を担当。本記事は入力と出力の役割を分かりやすく解説し、学習の起点として実例をもとに信号の流れを整理しています。

▶ 次に読む:A接点・B接点・コイルラダーとは?自己保持回路

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